土合舘公園あじさい剪定事前研修会が開催されました。

令和5年3月4日(土)9:00~11:00、あじさいの枯れ花の剪定方法などを学ぶ研修会を土合舘公園にて開催しました。

土合舘公園の整備や清掃を通してまちづくりを進める土合舘公園協働整備事業実行委員会の主催。研修ではまつかわと花案内人のほか、関係団体の有志26名が参加。講師に福島市荒井の㈱野尻緑産 専務取締役 野尻 晃 先生(樹木医)をお迎えし、剪定の方法や土壌改良の方法、あやめ園の活用方法などを学びました。

今回受講された皆様は令和5年3月18日(土)に開催される「土合舘公園あじさい剪定大作戦!」では指導する側として活動いたします。当日の様子は当協会ホームページにてお伝えいたします。

 

土曜日の朝9時、第1駐車場にて。少し冷えますが風もなく晴天。剪定日和です。実行委員会の斎藤会長のごあいさつの後、公園中腹の芝生広場へ移動。
まずはあじさいの特性や剪定方法など基礎知識のレクチャーを受けます。
あじさいの株全体のバランスを見て、1年後、2年後、3年後に花を咲かせる枝をイメージしながら剪定するそうです。枯れ枝か生きている枝か分からないときは枝の表面を少し削って白色ならば枯れ枝、緑色ならば生きている枝だそう。
先生が土のPHを調べます。今回は3cm位地中の土で調査。精製水で土を溶かし、成分が沈んで透明なうわずみが出るまで少々待ちます。その間受講生は実際に剪定作業へ。ちなみに日本の土の多くは酸性だそう。あじさいは酸性→青色、アルカリ性→赤色になるのですが、多くの公園では地植えの株を青→赤にするには石灰土がたっぷり入った大きな鉢に(おそらく重機を使って)株ごと植え替えし、赤色になったら元の場所に戻すそう。そう、土合舘公園の一部の区画のあじさいを全部赤色にして新しい観光資源にしよう!というアイディアはほとんど不可能なことだったのです。知らなかった・・・
さっそく剪定作業開始。皆様、新しい芽の2cm上の枯れ花部分を丁寧に切り落とします。
順調に作業が進みます。あじさいの株がとてもさっぱりしました。
30分後、まだうわずみが出ませんが時間の都合上PH確認。7.2でした。中性が7.0なので若干アルカリ性。土も地表か根の張る地中かで数値が変わるので参考まで。元々白いあじさいはPHが変わっても白いままだそうです。株を青→赤に無理やり変えても地中の根が水を吸ってイオン交換すると酸性に傾くため数年で青に戻るのだとか。
最後に土質や環境が合わずあやめが無くなったあやめ園にて新しい植生を検討します。先生によるとミソハギやクサレダマ(どちらも名前によらずきれいな花を咲かせます)がいいかも?とのことでしたが、プロでも何種類か植えて何年か観察しないと完全に根付くかどうかは分からないとのこと。また何の手入れもしないで勝手にきれいな花を咲かせ続ける都合のいい植物もないそうです。年に1回土を耕したり植生を植え替えしたりと、地域の力で根気強く試していくほかないのですね。今日は勉強になりました。